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2021年、空山リンゴ畑周辺の森林から野生の麹を発見してから2年後の2023年。空山と同じような自然環境の八雲山で調査をはじめました。八雲山は雲南市と松江市の境目にあり、須我神社の奥宮が中腹に鎮座します。

スサノオ命が八岐大蛇を退治した後にお宮を建てた場所であることから、ヤシオリの酒で使用した麹の末裔が生息しているかもしれないとの期待もあり、許可を頂いて2023年8月の初旬に10日間程かけて調査を行いました。

調査内容

場所:八雲山 期間:2023年7月25日〜8月4日

調査場所の選定

八雲山の原野を巡って麹が生息していそうな場所を選定します。
10日間程、何度も通いますので、ある程度アクセスしやすい場所を選んでいます。

初日 蒸し米を設置

蒸した亀治米を木灰、木炭で丁寧にコーティングして設置します。今回は4箇所設置しました。コーティングは灰や炭の環境に弱い他の菌を寄せ付けないためです。

2日目 7月27日

所々、白い麹らしき菌が出てきています。

4日目 7月29日

薄緑のコロニーが出てきました。ここまで順調に進んでいます。

6日目 7月31日

6日目になると色によって複数の菌が存在している事が分かります。

10日目 最終日 8月4日

この調査箇所はびっしりと菌が付着しています。茶系の菌も確認できます。ここで蒸し米を回収して、八雲山での調査は終了です。

遺伝子検査

自然界から麹菌を分離する際、採集対象の麹菌が1種類だけで存在していることはありません。
この蒸し米で麹菌がおりてくるのを待つ手法では、その場所に存在する様々なコウジカビ属(Aspergillus属)も同時に採集してしまいます。

検査を行うには、様々な菌がいる蒸し米から一つ一つの菌を振り分けていく作業が必要です。無菌室などの専門的な環境が必要です。

2024年現在、ゲノム解読をして安全性が立証されている黄麹菌はAspergillus oryzae と Aspergillus sojae の2つです。八雲山で採集した麹菌も A.oryzae か A.sojaeのどちらかであると遺伝子検査で立証しないと商用利用はできないため、秋田今野商店さんにお願いして秋田大学で遺伝子検査を行いました。

依頼をした検体のなかから数種類Aspergillus属が確認され、酵素の性能別に選抜して、その中から2025年6月 Aspergillus oryzae が確認されました。

このAspergillus oryzae を八雲山の自然界から分離、採集しましたので「八雲山麹」と呼んでいます。