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2023年2月。 わたしは雪の残るリンゴ畑に立っていました。

カミキリムシに中を食われて弱くなった枝が、雪の重みで折れています。 シカにやられて枯れた木もあります。 細い枝についた芽は小さくしぼんでいて、冷たさを感じました。

枯れた木の代わりに植え直した苗はまだ小さく、次の秋も多くの収穫は見込めません。 悲惨な畑だと言ってもよいでしょう。

しかし、命をはらんでぷっくりと膨らんだ芽もあります。 春に開く芽です。 リンゴは生きています。 強い生命力を宿して春を待っています。

まだまだ、虫や病気、シカなどとの関係は続くでしょう。 それでもいつか、木村さんのリンゴと同じように、食べた人の心を動かすような旨い実がたわわになる日が来るに違いありません。 葉が青々と茂り、命のざわめきに満ちたリンゴ畑の光景が、雪の向こうに見えるような気がします。

このような挑戦ができる人生を送れるのは、わたしを見守ってくれる出雲の神々と豊かな自然、そして家族や友人たち、仕事で関わってくださる多くの方々のおかげです。

すべてに感謝して、今日も前に進みます。

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